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のべれびゅ
ラノベレビュー
覇者の三剣(トリスアギオン)
覇者の三剣(トリスアギオン)
十月 ユウ
「その街は世界を拒絶していた。限りなく人に近く人に非ざる生物が跋扈する現代。“武街”と呼ばれるその街は、少年少女を戦士として育成する学園。転入生―那斬蒼。異形の剣と強大な力を持ちながら、しかし、彼は戦う自分を否定し続けるが、蒼は進む。真紅に彩られた、修羅の覇道を―。やがて滅びゆく世界のために、俺達に何ができるだろうか。閉ざされた世界で戦う少年達の、血と絆のソード・アクション!」

戦ったり、戦ったり、戦ったり、戦ったりする。
異魔人が徘徊する現代。近代兵器はほとんど意味を成さず、唯一効果があるのは人の意思が介在する、拳・刀剣・弓などの攻撃のみ。そしてここは異魔人戦の要。戦士を育成する場所「真武学園」

なぜかチンピラだの黒服の男達だのとの戦闘ばかりで、異魔人とやらの脅威がいまいち分からなかったのが残念。そして、学園物なのだけどクラスメートや授業風景の描写もほとんど無いので、学園の雰囲気・世界観もよく分からず。まぁ、主人公二人がTUEEEEって事はわかった。

クールな最強キャラに、漢字にルビの専門用語らと必殺技…という事で一見中学生向けなのだけど、実は腐女子向け。三度の飯より「互いにだけは心を開くイケメン2人がイチャイチャしてる」のを見るのが好きな人には良いかも知れない。もしかしたら、あのうすら寒いギャグもまた違う物に見えるのかも。

戦闘では、敵に見える線をなぞって斬ったり見える点を突いたら、なんか敵は滅びます。

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鋼殻のレギオス13 グレー・コンチェルト
鋼殻のレギオス13 グレー・コンチェルト
雨木 シュウスケ
「リーリンの右目は知っている。この先の道がどこへ続こうとしているのかを。ただ進めばいい。そうすれば―レイフォンは関わらずにすむ。リーリンは、電子精霊の原初ともいえる存在と邂逅する。一方ニーナは、天剣授受者ティグリスの孫であるクラリーベルと出会う。そしてレイフォンは二人の奪還のためグレンダンへと侵入を果たすが―。槍殻都市グレンダン。そこで、何が待つのか!?」

リーリンとニーナを取り戻すべくグレンダンに侵入するレイフォン達――と。

前巻で「今巻は『レジェンド・オブ・レギオス』を読んでない人でも…」とか言いつつ、ぶっちぎりで未読派を突き放し、もはや未読派完全無視のスタイルを貫くのかと思ったら、なにやら怒涛の勢いで用語説明がされてて何か笑った。とはいえ意味不明だった専門用語が何となく理解出来た様な気がしないでもないので嬉しい所。
まぁ、リーリンが何かなっててやっぱり話はよく解らないんだけど、正直もうこの辺りどうでも良くなってきてるから困る。

レイフォンVSクラリーベルは…まぁ…ですよね。

最早、鋼殻がレジェンドの外伝みたいになってるので、やっぱりレジェンドを読まないと駄目なんだろう。ただ設定を把握する為だけにハード3冊はキツイという気持ちもあるけど、例えそれを読んで話を把握しても、今の鋼殻を面白く思える気がしないから困る。レジェンド読んでる人はちゃんと面白いんだろうか。

そういえば「オール・オブ・レギオス」なんてのも出てたけど、アレはどうなんだろう。
コレでもストーリー把握が出来るんなら、それに超した事は無いけど。


放課後限定勇者さま。
放課後限定勇者さま。
七飯 宏隆
「『将来の夢はニート、もしくは引きこもり』である主人公・格里終夜は、なぜか突然異世界に召喚された。いかにもファンタジー世界な宮殿の中で、美少女から、「ともに魔王を倒してくれ」と誘われた。話を聞いてみると、どうやらぼくは勇者らしい…って、なんだ、このベタな展開は!?てか、ぼくはニート志望の高校生なんだけど。―そんなニート“勇者”が世界を救う!?学園×異世界で贈る露出系ハイブリッドストーリー!!」

異世界に勇者として召還される主人公・終夜。
仲間である他の勇者達の姿をいつも幻視で視ている姫・レイルーシカはそんな終夜を見て、呟く。
「……どなた?」

タイトルや口絵などから、魔王とかスルーして適当にハーレムしてる話だと思ってただけに、前半はコメディ、後半はシリアスとちゃんと作られてて何か驚いた。微エロシーンも時々入ってるけど、普段のヒロインの服装が一番エロいから困る。

レウルーシカのお付きのレギンレイヴ族――10匹ほどの見た目は猫である彼らが良かったなぁ。
この世界の「猫」などという愛玩動物とは違い、高貴な存在であるらしい彼ら。世間知らずでお人好しなレウルーシカについ魔がさしてエロスな事をしようとする主人公に目を光らし、常に上から目線。しかし、某動物まっしぐらなアレに、そうと知らず夢中になる姿が非常に可愛い。猫かわいいよ、猫。…イラストが不細工なのがアレだけど。

住人が死にまくった割りに、すぐにその世界から離脱してしまったのが何ともあっけなくて、ちょっと寂しかったり。最終的に主人公の能力が万能すぎる気もするけど、大丈夫なのかな…。伏線もかなりちりばめられているのでまだまだ解らない事だらけ。次巻も期待。


クリスナーガ
クリスナーガ
小林 三六九
「真っ暗闇な場所で目覚めた“ぼく”は、自分の名前すら思い出せなかった。そんな“空っぽ”状態で「クリスナーガ」という世界に放り出されたぼくは、偶然手にした本から黒ずくめのゴスロリ少女を召還してしまう。このやけに態度のデカい暴力チビ女─イヴは、かつてこの世界を救った「伝説の戦乙女」らしい。そんなこんなで、気づけば救世主(の下僕)扱いされてしまったぼく。やがて、この世界を揺るがす大事件に巻き込まれ…?」

…微妙にスベってる気がしないでもない。
<存在矛盾>であるらしい主人公・クロムの存在を主軸に話は展開。存在矛盾、存在矛盾と何か騒いでる訳だけど、別に何があるってわけでもないので、全く興味が持てず。話が進むにつれ出てくる多くの専門用語とその説明も、聞いた所で何があるって訳でもないので、これまた興味が持てず…と、いまいち空回りしてしまってる印象。
あらすじから主軸だと思った「世界を揺るがす大事件」も、結局ああいうアレでちょいと残念。

そういえばゴスロリ魔女っ子・イヴの下僕的御主人になったクロムだけど、何故かイヴそっちのけで眼鏡メイドのエレにばかり絡んでいく。いつまで脇役とダラダラやってるんだと思っていたら実はそのメイドが真のヒロインだったりして珈琲噴出する。
先入観のせいもあるけど、終盤手前でようやく気づいた…。「召還されたゴスロリ魔女っ子」と「眼鏡メイド」じゃあ、ゴスロリ魔女の方に目が行っちゃうもの。帯とあらすじでもゴスロリ魔女の事しか書いてないもの。書いてないもの。

多分完結。啖呵を切るイヴは非常に格好良かったです。


迷走×プラネット
迷走xプラネット
柏葉 空十郎/一迅社文庫アイリス
「「わたしの名前はルカルタ・ラカルタ。迎えが来るまで暇つぶしさせてくれ」転校生は…異星人!?地球調査団として日本に派遣された女団長ルカルタは、留学生のフリをして高校へ潜入。「キミは俺が必ず守る」と一方的に愛を捧げる部下のノモロをひきつれ、初めての学校生活を満喫&大暴走!しかしそこに忍び寄る黒い影…地球の未来はどうなるのか!?破天荒な宇宙人が巻き起こす地球救出ハイテンション・コメディ登場★!」

ハイテンション・コメディという言葉に期待したのだけど、まさかのほのぼの小説だった。
メインの1つ「味気無い異星人の生活と地球(日本)の文化の違い」ってヤツは、異星人ならではのというものが無かったのが残念。結局、異星人という事を周りに隠しているせいで、飛びぬけた事は言わせれないし、出来ないんだなぁ…。

その後はまぁ…ほのぼのしたり、戦ったり、ほのぼのしたりする。
終始ニコニコとルカルタを見守り穏やかだった、ルカルタの部下・ノモロが恋敵?の存在に心中穏やかにおれず…って辺りに「お、何だか面白くなってきたぞ…」と。まぁそう思った時には既に話の9割以上進んでいた訳だけど、次巻が出るのであれば読んでみたいかも。


MIB(Maid in Black)
MIB(メイド イン ブラック)
柏葉 空十郎
「ある日、星人の家にUFOが落ちてきた。出てきたのは黒ずくめのメイド服に身を包んだ少女・アリア。自分達の存在を口外するなまではよかったが、馬鹿扱いされののしられ、人体実験まがいのことまでされる始末。そして学校にまで、星人を見張るため悪魔は転入してきた。だが、学校には星人の幼馴染みの美希がいて、転校生VS幼馴染みの戦いが勃発するのだが!?やりたい放題の暴走ラブコメ!」

MIB。Maid in Black。
別に期待していなかったけど、メイド成分は皆無。それでも何かしらのメイド要素はあるだろうなとは思ったけどさ…。まぁ、メイド服は出てきてましたよ、と。

人類を滅ぼそうとする宇宙人とそれを阻止しようとする宇宙人。UFO研究家の父が味方の宇宙人から預かった「ある物」の行方を息子・星人に託すが、星人にはその隠し場所に見当もつかず―と。

読んでも読んでも、その「ある物」が見つかる気配は無く、一向に話も進まない。これは一体…?と首を傾げていたら読み終わった。あらすじ見るにラブコメだったらしいけど、そのラブコメらしき部分は読んでいて何一つ心に響かなかった。VS幼馴染云々も、かなり初期で「アレ」だと解ってからは楽しめず。

何故か読後感は悪くなかったけど、伏線回収の心地よさが大きいからかな。本筋と登場人物自体にはいまいち魅力が無い為、次巻が出たとしても…。


ご主人様は山猫姫 辺境見習い英雄編
ご主人様は山猫姫 辺境見習い英雄編
鷹見一幸
「エリート一家の落ちこぼれ、晴凛がようやくありついた仕事は異国の姫君の家庭教師。シムールの一支族の末姫、ミーネ。まだ13歳のあどけない、おしとやかな姫様―ではなく、わがままで気に入らないと暴れまくる超問題児。人は彼女を山猫姫と呼んだ。振り回される晴凛だが、なぜかミーネ姫に気に入られる。一方、和平を結んでいたシムールが帝国に宣戦布告を。板挟みな晴凛だったが、これが英雄への第一歩で!?」

山猫姫…。亜人だと思ったのだけど、単なるあだ名なのね。
それは置いとくとしても、主人公・晴凛に懐いてからはミーネの山猫ぶりが随分と薄れてしまった。あらすじの「山猫姫に振り回される青年」という所に惹かれただけにちょっと残念。ミーネ登場時のインパクトが大きかったのもあって、その部分に期待しすぎたなぁ…。

19年落ちこぼれだった晴凛が、短期間で鬼神の如き名射手になり、珈琲噴出。何という成長速度…というか19年間何してたんだよ。いやまぁ、はなから落ちこぼれってのは“設定だけ”臭かったけども。そして皇伏龍は、いまいち頼りになるのかならないのか分からない。まだまだこれから成長していくのかな。

まぁ、過去に帝国とシムール族の間で100年続いた戦争。それを再び起こさない様、何年もの歳月をかけて友好な関係の為に動いていた男・弦斉の意思を継いで奔走する晴凛の姿は読んでいてなかなか面白かったですが。

これから一体どうなるのか…思いっきり途中で終わっているので、次巻も期待。