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のべれびゅ
ラノベレビュー
オオカミは懐かない!?
オオカミは懐かない!?
原案:高崎 とおる 著:黒川 実
「オレの役目は、諏訪部の姫、幼馴染みのヒナを護ること。なのに当の姫様は大人しく護られちゃくれない。オレを無視して行動するし、騒動には自ら首を突っ込むし、口を開けば「勇太。伏せ!」――って、オレは犬かっ!? ちょっとばかり美少女に育ってたからって、期待したオレがバカだった…。不思議な力の宿る"宵見里"を舞台に贈る、意地っ張り姫様と、むっつりオオカミ少年の、アクション&ラブコメディ! 」

うーん…何か物足りないなぁ…。と思った所で、ふと気付く。

ヒロイン・ヒナに高慢さが全く足りないんだ。
主従関係で、イラストには主人公・勇太に首輪、しかも「勇太。伏せ!」なんて言ってるもんだから、そういうやりとりに期待したのだけど、ヒナがまさかのデレキャラ。ええい、何の為の主従関係か。

まぁ、物足りなかったって言うのは敵が小物だったり、オオカミに変身するという設定の必要性が無かったりする処にもあるのだけど…。
という事で、何か色々あった結果特に盛り上がる事も無く、終わってしまった。次巻はどうしようかな。

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ほおむステイ☆でい~もン!
ほおむステイ☆でい~もン!
鯛津 裕太
「虫歯に悶絶中の高校生、白羽修也はおバカだった。道で出会った面妖な壺から現れたお姉さん魔神ペイモンに3つの願いを叶えてあげると言われ、思わず虫歯の治療と仔猫の救命に使い、最後のひとつは豊満ボディと熱い吐息に騙され、彼女を壺から解放することにしてしまう。だが、修也から離れたペイモンには、恐ろしい災厄が降りかかって──。」

何ともアレな小説。

魔神が出てきたり、騙されたり、自由になったり、災厄が降りかかったり。
という事で、自らにかかった呪いを解く為、主人公・修也の家に魔神・ペイモンが押しかける訳だけど、物語の基盤「呪いを解く」という事が完全に空気だったりする。

表では、修也とヒロイン・佐伯綾奈のごく普通のデート。
裏では、佐伯綾奈非公認ファンクラブ、ある物を狙う悪党達、なんか暴れてるペイモン…と、全く面白みの無い話の裏で、全く興味の無い話を展開し、ぐだぐだのまま何となく終わる。

主軸が無いので、ボンヤリとした要素だけがフワフワと浮いている感じ。
個性的なキャラもペイモンぐらいで、盛り上がる場面も無い。最後もオチてないので何ともモヤモヤとした物が残り、読後感も悪い。

まぁ、とりあえずペイモンの…挿絵に萌えてれば良いんじゃなかろうか。
同居云々でのペイモンとのエロス展開はありません。


声で魅せてよベイビー
声で魅せてよベイビー
木本 雅彦
「主演:ハッカー、ヒロイン:腐女子の三次元激・ミュージカル! “孤高のハッカー”を名乗る高校生・広野は、尊敬する“おっちゃん”のOSマニュアルを入手するため、同人誌即売会に乗り込んだ。場内の熱気に圧倒されつつも何とか目的を果たした広野。だがしかし、そんな彼の前に自称“腐女子”の声優志望少女・沙奈歌が現われ、しかも広野は、成り行きで彼女の恋の“エチュード”の相手をすることに! 目指せ“本番アリ”!」

あらすじで受ける印象とはまた違う、なかなかに深い話。

「仲間」というものに居心地の悪さ、
沙奈歌の言う「仲間」というものに疑問を持ちながら、孤高を、特別を沙奈歌に求める主人公・広野の想いから、二人は擦れ違っていき…。

中盤辺りまで、ハッカー的要素がいまいち見られない為、
もしや山場でちょっとハックする為だけの設定なのかと思っていたら、むしろハック技術云々はおまけで、あくまで主人公のあり方を構成する要素の一つだったり。

あまり重要視してなかった設定が、後々多くの事に深く絡んでくる感じにゾクゾクしました。

広野と沙奈歌の先輩・椎名の関係が薄かったせいで、
終盤の展開にどうも首を傾げてしまうのが何とも残念。一応完結?


スイートホームスイート1 世界で一番いらない遺産
スイートホームスイート1 世界で一番いらない遺産
佐々原 史緒
「卒業式を終えた戸丸一彦を待ち受けていたのは、黒塗りベンツとありえない展開だった!「俺の曾祖父が外人?とある小国の大領主さま!?」呆然とする一彦をよそに、危篤の曾祖父に会うため旅立ちの手はずは整えられ―降り立った異国の地では、さらに驚愕の現実が彼を待ち構えていた!!曾祖父の死、広島弁を喋る一つ違いの「曾祖母」、遺産相続、そして…。波瀾万丈ファンタジック・ホームコメディ開幕。」

「世界で一番いらない遺産」ですが、別にそうでもなかったので
それに惹かれた人は、あまり期待しない方が良いかも知れません。

外国に飛ばされたり、妖怪、幽霊が出てきたり、陰謀渦巻いたりする。
比較対象にやたらと映画タイトルを持ち出すが、元ネタの映画を知らないとサッパリ分からない。

終盤抑え気味になっていますが、異様に高いテンションでダダ滑りする主人公の一人称視点の語りが、どうにもうすら寒い。そして一つ違いの曾祖母もキャラはともかくとして、あの日本語…シリアスな空気の中で異様に浮いてるあの広島弁が…。
これらが自分には合わず、そのせいか物語にあまり良い印象は持てず。

妖精達や曾祖母とのほのぼのとした雰囲気はそこそこに良かったのですが、遺産相続が絡んだ事件は、先の読める展開でいまいち盛り上がりませんでした。

まだキャラ紹介と一つサブイベントをこなした。といった感じで、これからどうなっていくのか見えてきませんが、この時点ではまだ微妙な作品。2巻から本格的に動き出すんですかね。


私のKnightになってよネ!2
私のKnightになってよネ!2
佐藤 了
「恭子の「精神感応力」を顕現させることとなった事件から七カ月。一向に進展しない裕也との仲と、自分の謎めいた力に不安を抱きつつも、匠を交えた三人での毎日を楽しんでいた。そんなある日、彼らの前に突如現れた厚着美少女・柚里が放った「私の『お兄ちゃん』になって!」のひと言が、彼ら三人をまたもや驚愕の事件に巻き込んでいく!ツンデレヒロインと予測不能の展開のジェットコースター・サスペンスノベル」

1巻終盤で突如、ファンタジー展開を繰り広げた「私のKnightになってよネ!」の2巻。
ファンタジーという事を念頭に入れて読んだ2巻は、全体的に微妙だった。

匠に妹(?)ができて、告白されて、匠の両親を名乗る人物が現れたりする。

前巻の終わり方から見て、「MALLS」内部での問題が展開されるのかと思いきや、話は7ヵ月後に進み、1巻での事は全く触れられない。まさか、アレであの話は終わりなんだろうか。

話を展開させる為の妙な心理描写、不自然な会話、言ってる事とやってる事が二転三転…。
今回も一応事件は起こりますが、悪役がしょぼすぎるので緊迫感は無いです。事件なんかよりも、ツンデレ恭子からツン要素が消え去っていることの方が問題です。
とりあえず新キャラ妹ポジションの阿曇柚里に期待。――と思ったら何だか大変なことに。

先が気になるような終わらせ方だけど、別に気にならない終わり方。
突然、「ALES」なる新たな敵組織とか出されても。
もうタイトルとは全然関係無い話になってます。原題は「生ける少女のパヴァーヌ」ですから、そのせいなんでしょうけども。

1巻ではどうでも良い場面ばかりに入ってた挿絵も今巻では改善。
兎は寂しいと死ぬというのはデマだ。


コッペとBB団 その1
コッペとBB団 その1
田口 仙年堂
「あいす、たべたい」すべては少女の一言から始まった! ここは、ナゾの物質・デイストーンを力ずくで集める悪の組織BB団の地下基地。こんな所になぜか子どもが!? 迷子係を押しつけられた生活課課長のQ三郎達は、大迷惑! 不思議なパワーの女の子・コッペに翻弄されまくる。 やがて親探しを始めたQ三郎と部下1号・2号&秘書のP子はコッペに関する驚愕の事実に直面して!? 少女と悪者達の“ほのぼの”熱血コメディ 」

コッペが可愛かったり、デイストーンを集めようとしたり、ヒーローと戦ったりする。

気の良いBB団の悪者達も、魅力的で面白い。
こんなに優しく、良い人しちゃってるのは
"悪人だったから、悪者になった"という事では無いからなのかな。

泣いたり、怒ったり、喜んだりな、コッペ可愛いよコッペ。なほのぼのとした展開。
そして、ベタな流れを経て、やるときゃやるよ。という熱い展開へ。

少しベタではあるけど、読みやすくテンポも良い作品。絵も良い感じです。
小さい伏線がチラホラあるので次巻も気になる所。期待。


私のKnightになってよネ!
私のKnightになってよネ!
佐藤 了
「突然クラス一の美少女、佐倉恭子に告白?され、強制的に恋人。実はただのボディガードにされた御影裕也。恭子にはある能力があり、自分が襲われる未来を予知したという。半信半疑のまま、恭子に振り回される裕也と親友の匠。しかし、次第に周囲に不気味な出来事が起こり始め、彼らは恭子の予知を信じざるを得なくなっていくのだが―。ジェットコースター・サスペンスノベル。」

恐ろしい小説だった。

予知夢を見たり、殺されかけたり、訳の分からない事になったりする。
題名と表紙で何となく「ツンデレラブコメ」な話かと思ったが、全く違った。

乗車させる気があるのか不明だが、確かに"ジェットコースター"なサスペンス。
中盤まではそれなりに良い感じに話が進むも、終盤の凄まじいファンタジー超展開には全くついて行けれない。

ツンデレラブコメな終わり方をしていますが、何とも後味の悪いもやもやとした読後感。
どういう訳か手元に2巻もある訳だけど、本当どうしよう。

しかしこの挿絵…何でこう、どうでも良い場面にばかり入ってるんだろうか。