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ラノベレビュー
鬼器戦記
鬼器戦記
渡辺 仙州
「鬼龍」は死者の怨念の集合体。高校二年生の夏樹は「鬼龍」と闘うことを義務づけられた「操鬼師」の家系にうまれた。最愛の姉を「鬼龍」に殺され、妹を守りながら、「鬼龍」との闘いに明け暮れる。そんなある日、ひとりの「操鬼師」の少女・春花が現れ、「今日から私がおまえの姉だ」などと言いだす。一体、何が目的なのか?疑惑の中で続く続く闘いの日々、そして…!」

「天帝機構」からの命令で、日々「鬼龍」を倒す高校生とその家族の話。

シスコン主人公が異分子である春花にひたすらイライラし、そんな主人公にイライラと。
まぁそれはストーリー的に仕方無かったのだけど。

書きたかった物は分かるけど、主人公が嫌な奴にしか見えなかったせいで、どうにものれず。
鬼龍だの操鬼師だのは、書きたかった物のつけ合わせ程度の話なので、それにも興味が持てず、兄妹の前に現れた少女・春花にもあまり魅力は感じられず…。

多分完結。

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“探し屋”クロニクル 7/7のイチロと星喰いゾンビーズ
“探し屋”クロニクル 7/7のイチロと星喰いゾンビーズ
羽谷 ユウスケ
「その夜。自身の内に6つの人格を宿す青年、明神一郎(イチロ)は薄暗い路地裏にいた。刑事たちは道ノ森公園で気を失った西岡正臣を保護した/次の夜。イチロは前夜助けた前野結衣子に再会した。次の夜。繁華街のビルの屋上に三人の男女がいた。“探し屋”の十六夜と“夜祓い”の相葉、清水。彼らは道ノ森市の夜を騒がす“星喰い”を探していた。/そしてその夜、すべての星が交わる―。」

知らず知らずの内に、星喰いと夜祓い達との戦いに首を突っ込んでいて…というお話。
星食いも夜祓いも、主人公の“多重人格”という設定には関係は無く、首を突っ込んだ一般人がたまたま“多重人格”だった――と。

それは良いのだけど、主人公に人格が7つ+αも在った割には(あったから?)癖の有るキャラや魅力的なキャラがいなかったのが残念。最もキレた性格である主人格が、引っ込んだまま。という…。

多重人格に探し屋に夜祓いに星喰い。全てがぼんやり。
色々と次巻以降への伏線は張ってるけど…次巻は…。


リバース・ブラッド 1
リバース・ブラッド 1
一柳 凪
「爆発事故に巻き込まれた鴫沢巽は、以来、記憶をなくしていた。目覚めた彼は物騒なニュースを耳にする。この町では内臓を抜き取られた奇妙な死体が相次いで見つかっており、人々は殺人鬼の影に怯えている…。雨の降る夕方。下校しようとしていた巽は、美術室から現れた少女にとつぜん右腕を斬断され、気を失った。謎の洋館で意識を取り戻した彼は知る―世界を震撼させる異形の力の存在を。」

エロ挿絵。ただし全く興味が湧かない娘が。

序盤に事件が起こり、その後すぐに異能力の説明と紹介がされるものの、
それ以降は異能力はとくに活躍することは無く、ラブコメが展開。

主人公・巽に最近妙に接近しだしたクールな上級生・葛城呉羽と、それに焼きもちを焼く、活発ではねっかえりな同級生・結城あさみの、三角ほのぼのラブコメは中盤に差し掛かっても続き、もはや何の話か忘れかけた所で突如、事件に巻き込まれる。

巻き込まれるも何も、この町で連続殺人が起きていること自体すっかり忘れていたのだけど、ともかく巽達は若干こちらを置いてきぼりにして、今までにない盛り上がりを見せ始める。
そして何か色々あった結果、ぼんやりと終わった。

後半からの結城あさみの影の薄さは異常。
何かありそうな伏線はあったのに…続き物前提だからなんだろうか、何にしろ不憫だ。
読後感は悪いというわけでもないのだけど、一応…次巻に期待。
しかし作品の本筋は暗めなのに、お色気挿絵ばかりなのは…。


RIGHT×LIGHT -空っぽの手品師と半透明な飛行少女-
RIGHT×LIGH -空っぽの手品師と半透明な飛行少女-
ツカサ
「右手でモノを握ると跡形もなく消える―空っぽの手品師。クラスでは三文手品師のフリ、それが僕の日常…アリッサと出会うまでは。屋上から降ってきた半透明の彼女に命令され、強引に肉体を依代にされてしまった僕…足元がフラフラ。全身がだるくて重い…なぜ僕がこんな目に?彼女は自分の肉体を奪った犯人を追って地上に来たというのだが…。秘密の右手を持つ少年と世間知らずな魔法少女が繰り広げる異色マジカルコメディ。」

マジカルコメ…ディ…?
敵に呪いをかけられ、現在霊体のため魔術に大きな制限がある女の子と、
それにとり憑かれた、右手でモノを握ると跡形も無く消してしまう主人公が敵を追う話。

強い奈須きのこ臭がするも、「握ると」という能力に惹かれて読み。
しかし中盤で早くも「握ると」の能力制限が無くなり、珈琲噴出。
主人公が「アリッサに会って自分は変わった」と言ってズンズン行動していくのだけど、変わったのかどうなのか、変わるほどの事だったのかとピンと来ず、主人公の行動に少し置いてきぼり。

主人公の「握ると~」の能力は目立たず、女の子にとり憑かれてからの日常も特に話が広がらない。(エロスなハプニング、とり憑かれた代償である肉体的疲労、エロスなハプニングなど)
この小説のサブタイトルやあらすじで惹かれた設定が物語では空気となってしまっていたのが何とも残念。

一応最後は主人公が、この能力を手に入れた経緯の伏線が回収され、
綺麗にまとまったので読後感は悪くは無かったですが。


樹海人魚
樹海人魚
中村 九郎
「強大な力で街を破壊し、人々を殺し、何度死んでも蘇る恐怖の存在“人魚”。人間はその怪物を撃退し、飼い慣らし、歌い手と呼んで同類退治の道具としていた。歌い手を操り人魚を狩る“指揮者”の森実ミツオは何をやってもさえない少年。しかし記憶をなくした歌い手・真名川霙との出会いがミツオを変える。逆転重力、遅延時空に過不眠死。絶対零度のツンデレ・バービー、罵倒系お姉・由希にみだらなラビット―奇想につぐ奇想と 流麗な人魚たちが物語を加速する! 超絶詩的伝奇バトル&ラブ。」

人魚を使い、人類の敵となる人魚と戦う組織「Do-or」
穏便な話し合いが可能な相手なら仲間にし、不可能ならば撃退。しかし相手も永遠に蘇る不死の存在で…。そして真名川霙が執拗に敵に執着する理由とは――。

前作「アリフレロ―キス・神話・Good by」よりも更に読みやすくなっている。
まぁ、始まりがやや読み辛いですが、後はすんなりと自然に読めました。…しかしこの読みやすさが少々物悲しくも…。まぁ時折、人物把握に躓いてしまうのは相変わらずなのだけど。そしていつもながらシリアスな中で自然に入るギャグと、あらゆる所に仕掛けられたギミックが心地良く面白い。

読後感も非常に良かったです。
まぁ、バービーの事も気に入っていた自分としてはちょっとアレな気持ちもあるのだけど。次作にも期待。


Mのフォークロア キュクノスの迷宮
Mのフォークロア キュクノスの迷宮
三上 康明
「オンラインRPG「QO」のプレイヤーが「聖徳太子」の顔に見える謎の雲に遭遇した直後、集団昏睡を引きおこす事件が発生! 妹が被害者となった鶴見圭悟は、原因を解明するべく奔走する。味方は、口は悪いし性格もアレだが絶世の美貌を持つ「民俗学者」の間宮むつきだけという逆境で、圭悟は事件の真相に迫れるか? 青少年の教育上よろしくないヒロイン・間宮むつきが暴走する「Mのフォークロア」爆誕! 」

「オンラインRPG「QO」のプレイヤーが
『聖徳太子』の顔に見える謎の雲に遭遇した直後、集団昏睡を引き起こす事件が発生!」

この時点で手を出さずにはいられない。
単なる「ネトゲプレイヤー集団昏睡事件」なら.hack乙でスルーする所だけど。まぁ、馬鹿小説だと判断していたらシリアスな話だったりする。「聖徳太子~」は筆者が電波を受信したんだとばかり。

昏睡事件が起こり、何がしたいのか解らない黒幕を追って、主人公・圭悟と間宮むつきの二人が事件解決のために奔走。そして遂に謎が明かされ、さぁこれからどう――読み終わった。珈琲噴出。

何という豪快な投げっぱなし…。
黒幕・伏線に一切触れぬまま平然と平凡な日常エピローグを送る主人公に驚愕。事件解決は一応するも、結局主人公たちの行動は何ひとつ意味が無かった事に全米が震撼する。

まぁ、とりあえず泣き虫で焼き餅焼きの彼女・愛香にでも萌えてれば良いんじゃなかろうか。
挿絵効果もあって可愛いかったです。
あとがきで次巻の事に一切触れてませんが…次巻は…。

テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学


人類は衰退しました
人類は衰退しました
田中 ロミオ
「わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は”妖精さん”のものだったりします。わたしは、妖精さんと人との間を取り持つ重要な職、国際公務員の”調停官”となり、故郷のクスノキの里に帰ってきました。祖父の年齢でも現役でできる仕事なのだから、さぞや楽なのだろうとこの職を選んだわたしは、さっそく妖精さんたちに挨拶に出向いたのですが……。田中ロミオ、新境地に挑む作家デビュー作。」

何となく難しそうな題名ですが、ほのぼの小説。
あらすじを断片的にしか読んでなかった為、妖精が人類をシムシティ的感覚で殺していく小説かと思った。

きっと楽な仕事なんだろうとい思って調停官となった少女と、平均身長10cmで3頭身。高い知性に無邪気な性格。そして極めて敏捷。そんな妖精さん達の、ゆるいほのぼの話。

一癖も二癖もある妖精さん達が、目を放した隙にいつのまにか増えてたり、お菓子に目を輝かせたり、ペーパークラフトの恐竜と戦ったり…。
波乱に満ちた展開は無いのですが、いやそんなものは必要無い。妖精さんかわいいよ、妖精さんと読んでいる内に読了。次巻も大いに期待。